他人のお金事情ってちょっと興味あったりしますよね?
特に貯金額などは気になるところですが、今回は単なる興味本位ではなく、
- 世間一般の貯蓄額等を知る
- ①と自分を比較する
- 比較した結果、自分の生活改善につなげる
という流れを目指した、きっかけ作りとなる記事としてお届けします!
目次
貯蓄に関する調査
今回は世間一般の状況を”企業のアンケート結果”と”政府統計”という2つの側面から実態を把握していきます。
中央値と平均値
本題に入る前に、数値を比較する際の「中央値」と「平均値」について補足しておきます。
中央値
下からも上からもちょうど真ん中に位置する値。突出した数値があっても影響を受けにくい。

平均値
いわゆる平均。詳しくは下記を参照。大きい値があるとそれにつられて値がアップしてしまう。
(100+200+300+400+500+600+1500)÷7≒514
企業のアンケート結果

マイナビニュースというネットメディアにおいて、自サイトの会員503名に対してアンケートを実施(実施日:2020/01/27)しています。
(2020年最新版!みんなの平均貯蓄額-毎月どのくらい貯めてる?)
今回はそのアンケート結果を参照させていただきながら、リアルな声を参考にしていきましょう。
年収
区分 | 中央値 | 平均値 |
一人暮らし | 421万円 | 400万円 |
二人以上世帯 | 567万円 | 500万円 |
所持している金融商品
区分 | あり | なし |
一人暮らし | 173世帯 | 14世帯 |
二人以上世帯 | 275世帯 | 41世帯 |
金融商品の現在の残高(現貯蓄額)
区分 | 中央値 | 平均値 |
一人暮らし | 300万円 | 1億7,873万円 |
二人以上世帯 | 600万円 | 1,908万円 |
収入から月にどのくらい貯蓄に回しているか
区分 | 一人暮らし | 二人以上世帯 |
平均値 | 7.9% | 13.8% |
0% | 8.0% | 15.5% |
5%未満 | 41.2% | 19.3% |
5%~10%未満 | 31.6% | 23.7% |
10%~20%未満 | 9.6% | 20.9% |
20%~30%未満 | 5.9% | 7.9% |
30%~40%未満 | 2.7% | 6.3% |
40%~50%未満 | 0.5% | 1.3% |
50%~60%未満 | 0.5% | 1.6% |
60%~70%未満 | 0% | 1.3% |
70%~80%未満 | 0% | 0.3% |
80%~90%未満 | 0% | 0.9% |
90%~100%未満 | 0% | 0.3% |
100% | 0% | 0.6% |
政府統計

政府はあらゆる分野で国民全体を対象として統計をとっており、そのデータは専用サイト「e-Stat」で誰でも閲覧することができます。
今回はサイトから貯蓄に関するデータを取得し傾向を把握していきます。
・貯蓄現在高階級別世帯分布(二人以上の世帯)2018年
・貯蓄の種類別貯蓄現在高及び構成比(二人以上の世帯)2018年
貯蓄残高別の割合
まずは日本国民はどのくらいの貯金額があるのか割合をみていきましょう。200万円未満には貯蓄0円も含まれています。
貯蓄残高(万円) | 割合(%) | 備考 |
200未満 | 16.7 | |
200~400未満 | 11.1 | |
400~600未満 | 9.0 | |
600~800未満 | 7.3 | |
800~1000未満 | 6.3 | |
1000~1200未満 | 6.0 | 中央値:1036万円 |
1200~1400未満 | 4.7 | |
1400~1600未満 | 4.2 | |
1600~1800未満 | 3.2 | 平均値:1752万円 |
1800~2000未満 | 2.7 | |
2000~2500未満 | 6.3 | |
2500~3000未満 | 4.7 | |
3000~4000未満 | 6.8 | |
4000以上 | 11.1 |
貯蓄の種類別
では次に貯蓄残高別の平均値である1,752万円は、どういった種類(金融商品等)の貯蓄になっているかをみてみましょう。
種類 | 金額(万円) | 割合(%) |
定期性預貯金 | 657 | 37.5% |
通貨性預貯金 | 460 | 26.3% |
生命保険など | 362 | 20.7% |
有価証券 | 234 | 13.4% |
金融機関外 | 39 | 2.2% |
合計 | 1,752 | ― |
分析と目標設定

分析
さて、これまでの調査結果を踏まえて分析してみましょう。まずは二つの調査に共通した項目である貯蓄残高に関して。
調査内容 | 中央値 | 平均値 |
アンケート | 600万円 | 1,908万円 |
政府統計 | 1,036万円 | 1,752万円 |
調査対象はアンケートが503名、政府統計は日本国民。調査年はアンケートが2020年、政府統計は2018年ですが、平均値でみるとかなり近い値となっています。別々の調査で近い値がでることでより信ぴょう性が増しますね。中央値は乖離がありますが、政府統計を基準に考えてよいでしょう。
これらの調査により、つまりこういうことがいえると思います。
二人以上世帯における一般的な貯蓄残高は約1000万円
もちろん家庭によっては住宅ローンなどの負債があったりと条件は様々ですが、ざっくりまとめるとこういう数字でよいと思います。
目標設定
さて、調査結果としては上記の結果がでていますが、では私たちはいったいどの程度貯金できていれば安心といえるのでしょうか。
本来望ましいのは、これから訪れるであろうライフステージに備え、必要となる額を蓄えておくことです。
ライフステージとは次のようなイベントです。
- 結婚
- 出産
- マイカー購入
- マイホーム購入
- 教育資金
- 老後資金
- その他
こういった、いつまでに何の資金がどのくらい必要か…というのを把握するうえで「ファイナンシャル・プランニング」という考え方があります。
こちらの記事で詳しく解説しています。

きちんと計画したうえで備えていくのが理想ではありますが、そこまで先のことをイメージして取り組むのはなかなかハードルが高いのです。どうしても人間目先のことに目がいってしまいますからね。
そこでまず重視したいのは、貯めるという習慣をつけることです。
現在思うように貯蓄が出来ていない家庭であれば、ひとまず日本人の平均貯蓄額である1,000万円を目標に掲げるのもいいと思います。
目標を掲げたら、どうやって達成するか手順を考えましょう。
- 1000万円をいつまでに達成するか
- →そのために毎月いくら貯蓄に回すか
- →それはどういった金融商品にするか
- →または毎月かかっていた支出の何を減らすか
目標設定から上記のような具体的な取組を考えてみてください。
まとめ
「人は人、自分は自分」といいますが、世間の動向は気になるものですし刺激にもなります。そういった世の動向を知るには統計データが役に立ちます。
今回は一般的な基準と現時点の自分の状況を比較することで、これから資産形成をどう進めていくか考えるきっかけになればOKです。
最近は老後資金に2000万円必要!…という話題も多く聞かれ、貯蓄の適正額が問われることが多いですが、まずは出来る部分、出来る範囲で考えてみましょう。そこが第一歩です。