よく将来のことを考えてとか、将来に備えて…といった言葉を聞きますが、どうやって備えていけばいいか分からないという方もいらっしゃると思います。
今回は「ファイナンシャル・プランニング」という方法を紹介することで、そういった疑問にお答えします。
余裕が無いと目の前の生活が優先になるのはやむを得ないかもしれませんが、だからこそ将来に向けて”出来る範囲で”備えることが大事です。一緒に準備していきましょう。
将来のお金の使い方を計画をしよう!計画書の作り方がいろいろあるので紹介するよ!めっちゃ簡単な作り方もあるよ!備えあれば憂いなし♪
目次
ライフプランという考え方

人生100年時代
人生100年時代といわれて久しいですね。特に日本は世界屈指の長寿国ということもあり、生涯にわたって豊な生活を送るには、それなりの将来設計(ライフプラン)があった方がいいでしょう。
人生100年時代は、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットによる『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)の中で提唱された言葉。
寿命の長期化によって先進国の2007年生まれの2人に1人が103歳まで生きる「人生100年時代」が到来するとし、100年間生きることを前提とした人生設計の必要性を論じている。
wikipedia 人生100年時代
ライフプランの3大テーマ
自分の人生の設計書…ライフプランを考えていく上で3大テーマとなるのが次の3つです。
- 生きがい
- 健康
- 家庭経済
生きがい
「自分はなんのために生きるのか」「何をしたいのか」…それが何であれ、自分の中にそういった軸を持てれば長い人生を有意義に過ごせるはずです。
具体的には仕事や趣味、家庭(夫婦、親子)、地域社会との関わりなどです。
健康
”身体が資本”とはいいますが、何をするにもまずは健康な身体が前提です。これはめちゃめちゃ大事です!
基本的には自分と家族の健康を維持していくための生活スタイルを作りあげること。具体的には健康増進と健康プラン(健康管理、心の健康、健康づくり)
家庭経済
生活を営んでいく上で必要となるお金。特に人生にはライフイベントといわれる節目節目で必要となる比較的大きなお金があります。
具体的には結婚、教育、住宅購入、老後の生活資金、医療、介護などです。
ファイナンシャル・プランニングとは
上記の3大テーマのうち、今回着目するのは”家庭経済”です!
家庭経済をより具体的な形にしていく作業を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
ファイナンシャルプランニングで具体的にしていくこととは、ズバリ!人生における3大支出の資金繰りを考えることです。
その3大支出とは次の3つです。
- 教育資金
- 住宅資金
- 老後資金
ファイナンシャル・プランニングを形にしていくために使用するツールが次の2つです。
- ライフイベント表
- キャッシュフロー表
ファイナンシャル・プランニングを進める

ライフイベント表
まずはライフイベント表を作成しましょう。
ライフイベント表は家族の将来の予定や夢のプランなどを時系列に一覧化したものです。その名のとおり人生における計画表といえるでしょう。
これを作成することで、いつどういうイベントがあり、その頃にはどのくらいの資金が必要かという目安を可視化することができます。
↓ライフイベント表とはこのようなものです↓

作成手順
上記の例でも記載しているとおり、人生における3大支出を中心に計画を立てましょう。20代、30代の方であればさらに結婚資金が加わる場合があります。
ポイントは旅行などの夢のプランもふんだんに盛り込むこと。夢を盛り込むことで、モチベーションがあがり計画すること自体楽しくなります。結果、こういった取組への継続性につながります。
具体的な作成手順は次のとおりです。
- 経過年数、西暦、家族構成、家族の年齢を記入する
- 子どもの進学、退職予定、車の購入、旅行など節目のイベントや大きめの支出予定を記入する
こちらからExcelで作成したサンプルファイルをダウンロードできますので、よかったらお使いください。
キャッシュフロー表
次は作成したライフイベント表をもとに、現状と将来の収支状況や資金残高などをシミュレーションするのがキャッシュフロー表です。
↓キャッシュフロー表とはこのようなものです↓

キャッシュフロー表では次のことが把握できます。
- 家計の収支や貯蓄額の推移を年間ベースで把握できる
- 今後の資金の収支と貯蓄額の傾向を確認できる
- ライフイベント費用について資金的な問題がないかチェックできる
作成手順
まずはキャッシュフローに盛り込む各項目のデータを集めます。
- 家族構成(氏名、年齢、職業など)
- 各収入の内訳(家族の給与や一時的な収入の種類)
- 各支出の内訳(基本生活費、住宅費、教育費等の月額と年額)
- 住宅ローンがあれば返済計画
- 現状の貯蓄額
各項目の基本データを把握するのはやはり日々の蓄積です。そのためには家計簿をつけるのが手っ取り早いでしょう。
こちらの記事では家計簿の目的などについて解説しています。

最初はざっくりした数字で作成し、家計簿でおよそ正確な数値が分かったらその後修正しても構いません。
さて、各項目の数値がわかったら以下のポイントに基づいて作成してみましょう。
- 1月1日から12月31日までを1年とする
- 家族の年齢は12月31日現在で記入する
- 給与の収入は「可処分所得」で記入する
※可処分所得とは「手取り額」のことです。給与明細を見ればわかりますが、総支給額から所得税や社会保険料を控除した実際に振り込まれる額です。 - 分かる範囲で変動率をいれる
※変動率とは将来の変化の割合のこと。年収であれば昇給率、生活費は物価上昇率といっ具合。
こちらからExcelで作成したサンプルファイルをダウンロードできますので、よかったらお使いください。
キャッシュフロー表の分析
キャッシュフロー表が完成したら、この表をもとに現状や今後の生活設計に問題がないか分析してみましょう。
主なチェックポイントは次のとおりです。
- 将来にわたる教育費や住宅費と資金の関係性に問題はないか
- 収支が赤字になっても貯蓄で賄えるか
- その赤字は一時的なものか、常態的なものか
- イベントはそのまま計画していて大丈夫か
- 老後の金融資産残高は確保されているか
- 夢を盛り込んでいるか
チェックしてみて問題がありそうな箇所があれば現在の生活を見直すところから始めましょう。
例えば生活改善として固定費の見直しなどを行っていくと、適切な収支のバランスを実現することができます。
固定費の見直しについてはこちらの記事で解説しています。

自動で作成できる便利なサービス
ここまでライフイベント表やキャッシュフロー表を手作業で作成する手順を解説してきましたが、実はこれらを自動的に作成してくれるサービスがあるのです。それが「Financial Teacher System 7」というサービスです。
「Financial Teacher System 7」はブラウザで稼働する無料のライフプランシミュレーションソフトです。必要な情報を入力すると、ライフプランのシミュレーションをしてくれます。
操作手順
簡単な手順を説明します。
まず最初にユーザー登録を行いログイン後に、下記画面で基本情報を入力します。

次に各項目ごとのデータを入力します。こちらがメニュー画面です。

1項目ずつ画面を開き入力していきます。
最後にレポート作成機能を実行すると、PDFファイル及びEXCELファイルで詳細な分析レポートを入手することができます。
正直、これが無料で使用できるのはすごいことです。それくらい便利で詳細な分析を行うことができます。
ここで、そんなに便利なら最初からこっちを紹介してくれればいいのに…と思われた方もいるかもしれません。
確かにそうなのですが、手作業で作成する手順も習得しておくことで、より分析の理解が進むと思うのです。
そういった基本を身に着けてから、便利なサービスを利用してみるのがベターでしょう。
まとめ (やっぱり計画は大事)
ライフイベント表とキャッシュフロー表を活用したライフプランの方法について解説しました。
繰り返しになりますが、人間はどうしても足元の生活が大事だし、そこに目が行ってしまうのはしょうがないでしょう。
ただし、そういった生活を続けた果てに、
- 「我が家貯金がないじゃん!」「ちょっとこの学校はあきらめてくれ…」
- 「たまには旅行連れてって」「いつかね、いつか…」
- 「定年退職したけど、今後この金額でやっていけるのか…」
といったケースになっても、なかなかすぐに挽回は難しいものです。
だからこそ、時間のある今から「あるべき未来」「叶えたい将来」のために備えていきましょう。
今回ご紹介した手法は一つの例ですが、是非参考にしてみてください。