家計診断

【家計見直し】お金を貯める第一歩は家計簿から 【家計簿で把握したいポイント】

アイキャッチ画像

貯金や投資に回すお金を増やすために取り組むべきことの最優先は、支出の削減…つまり使うお金を減らすことです。

でも、生活の中に組み込まれた支出を手あたり次第に減らせるものでもありません。まずはどんな用途のお金なら減らせるかを把握する必要があります

そのために必要となるツールが”家計簿”です。今回は家計簿で何を把握すればいいのか、ポイントを絞って解説します。

家計簿をつける目的

彼を知り己を知れば百戦殆うからず

こんな言葉を聞いたことはありますか?

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしり おのれをしれば ひゃくせんあやうからず)」

これは「孫子(そんし)」という中国の兵法書の一節ですが、意味は”立ち向かう相手と自分の実力を正しく知ることで負けない戦いを行うことができる”というものです。

これから私たちは、これまで以上の速度で進んでいく高齢化社会の中、豊かな人生設計を行うために資産形成という壁に立ち向かわなくてはなりません。その戦いに勝つためにはまず内なる”家計”の中でお金がどのように流れているのかを把握する必要があるのです。

それを明らかにするのが家計簿です。

こうじくん
こうじくん
うーん、ちょっと例えが苦しいかな(苦笑)でも意味はなんとなく分かりますよ。まずは自分の実力を知らないと勝てるものも勝てないってことですよね
先生
先生
そうだね。ここでは「自分の実力=お金の使い方」とも置き換えられるね。それが把握できたら、そこから無駄を発見して更に詳細な見直しが可能になるんだ

家計簿における支出内容の分類

固定費と変動費に分けて考える

固定費と変動費

さぁ家計簿の目的が分かったところで、まずは家計を管理する際の基本的な考え方を説明します。

それは家計の支出を、固定費と変動費に分類することです。

  • 固定費
    家賃、水道光熱費、電話料金など毎月決まった額が支出されるもの
  • 変動費
    食費や交際費など、月によって支出額が変動するもの

さらに詳しく書くとこのような表になります。

◆固定費
住居費 家賃、住宅ローン、管理費、固定資産税など
通信費 携帯電話、固定電話、ネット接続料など
水道光熱費 電気、ガス、水道など
車関連費 駐車場代、ガソリン代、任意保険料など
教育費 保育料、学費、給食費、塾、習い事など
保険料 生命保険、損害保険、健康保険、年金など
会員制サービス スポーツクラブ、動画、音楽等のサブスクリプションなど
ローン返済 カードローンや買い物の分割払い
◆変動費
食費 食料品、飲料など
日用品費 消耗品など
美容費 美容院、化粧品など
交通費 電話、バス、タクシー代など
交際費 飲食代、冠婚葬祭、贈答など
レジャー費 趣味、娯楽費など
医療費 病院での治療代、薬代など
被服費 洋服など

こうやってある程度の費目にカテゴリー分けすることで、お金を何に使っているかというのが後で振り返っても把握できるようになります。

先生
先生
「後で振り返っても」というところは重要だね。お金を浪費しちゃう人はこれが出来ていないことが多い
さっちゃん
さっちゃん
私の友達も”何に使ったか覚えてないけどお金ないんだよね~”って嘆いてる
こうじくん
こうじくん
でも先生!…分かりやすくはなりますけど、正直これを眺めていてもどれも必要なお金の使い方に見えくるんですよねぇ…

 

積極的に減らしていくべき支出

こうじくんもつぶやいているように、せっかく家計簿で分類しても何となく眺めているだけでは削減すべき対象が見えてこないと思います。

そこで削減すべきターゲットを定めましょう。ターゲットはズバリ”固定費”です。その理由がこちら。

固定費の見直し

固定費は毎月一定の金額を支出するため、これを見直すことで削減効果もずっと続きます。一度の見直しで長期的な削減が可能となるのがおすすめしたい最大のメリットです。

固定費は生活スタイルに直結している支出が多いため、見直しには手間がかかることもありますが、是非取り組んでいきましょう。

先生
先生
見直しは”一瞬!”でも効果は”継続!”

最近ではサブスクリプションサービスが広まっていることで、あまり利用していないサービスにまで課金しているケースもあります。

そういった隠れた無駄についても、きっちり家計簿をつけることで浮かび上がらせることができます。

7つの分野について固定費見直しテクニックを公開しています。

アイキャッチ画像
【固定費見直し】7分野の削減テクニックを大公開!【手間は”一瞬”・効果は”続く”】家計の見直しにおいて、まず一番に取り組みたいのが”固定費の見直し”です。 固定費とは光熱水量や家賃のように、毎月一定額を支払ってい...

 

変動費の見直し

変動費は交際費や食費、レジャー費になるので比較的簡単に減らすことは可能です。ただその都度我慢したり節約したりという行為が必要になるので、長期的な取組には精神的な負担もあるでしょう。また削減幅も決して大きいものではありません。

そういった意味でもまずは固定費というのが鉄板です。

 

家計簿を続ける方法

家計簿が続かない

ここまでご覧になってこう思った方も多いと思います。

そりゃ家計簿つければ色々分かるよね。でもね…続かないんじゃー!

そうなんです。家計簿って継続することがなかなか難しいのです。そこでこれをクリアするために2つのことを提案します。

【意識面】細かくなくていい・長く続けないくてもいい

家計簿って1円単位まできっちり正確に記録しなくては…というイメージがあると思います。もちろんそれが出来ればベターですが、必ずしもそうである必要はありません。

家計簿の主目的は上で述べたとおり、使ったお金の傾向が把握できればいいのです。よってある程度ざっくりした記録でも問題ありません

また、永遠に続ける必要もありません例えば、半年、1年と続けていけばおおよそのお金の流れが見え、その範囲からあまり変化がないことが分かってきます。例えば変動費では食費は毎月6万円くらい、レジャー費は3万円くらいだな…といった具合です。

そこまで分かれば、その段階で支出の見直しを行えばいいのです。そして、また家族構成や生活スタイルの変化に伴って家計簿を再開すればよいでしょう。

最初からその程度のハードルに設定しておけば、続けられる気がしてきませんか。

【方法面】便利な道具(アプリ)に頼ろう

家計簿には色々なつけ方があります。レシートを分類、手帳に手書き、PC(エクセル等)で作成などです。

それぞれ一長一短ありますが、現時点で一番のおすすめはスマホアプリを活用することです。

アプリを利用するメリットは様々あります。

  1. いつでも、どこでも記録できる
  2. 簡単に記録できる
  3. レシート読み取りで記録できる
  4. 銀行口座も含めて資産を総合的に管理できる
  5. 総合計や月別など集計機能が多彩

メリットは使用するアプリによって異なりますが、確実に手間を軽減してくれます。上記で意識面のお話をしましたが、それでもなかなか継続が難しい場合は是非こういったものを利用することで継続のハードルをさげちゃいましょう。

種類の多い家計簿アプリの選び方を解説した記事はこちらです。

家計簿アプリを操作する男性
【種類多すぎ!】2020年版家計簿アプリの選び方 【アプリ10選 用途によって選べばOK】生活費を減らして貯蓄や投資に資金を回す…これを実現するにはまず何にお金を使ったか把握することが大事と以前の記事でお伝えしました。 ...

 

まとめ (→ゆとりをもった資産形成へ)

今回の内容をまとめます。

要点まとめ

家計簿の目的は?→
家計におけるお金の流れを把握するため

なぜ把握する必要がある?→
ムダな支出や減らしていきたい支出を目に見えるようにするため

目に見えるようにしてどうする?→
減らした分貯蓄や投資にお金を回せるようになる

貯蓄や投資するとどうなる?→
資産が形成されライフイベントに余裕をもって臨める等

結局のところ、家計簿でしっかり日々の家計管理を行うことで、長い人生で訪れる結婚、出産、教育、就職、旅行、老後といったイベントをゆとりをもって過ごせるということです。是非、その第一歩として家計簿の重要さを認識しましょう。